T.REX「ザ・スライダー」(ASIN:B000059Z4C)

大好きです、マーク・ボラン。初期のアヤシゲなフォーク時代も面白いのですが、やっぱり出す曲出す曲大ヒットしていた絶頂期がカッコイイですね。ところで、以前から「ドノヴァンを派手にするとマーク・ボランになる」と思っています。ちりめんビブラートのヴォーカル、シンプルだけど飽きのこないメロディ、楽曲の構造は単純だけど、そこに様々なものをトッピングして奇妙なものにしてしまうところなど両者には共通点がたくさんあるのではないでしょうか。マーク・ボランが名匠トニー・ヴィスコンティと組んで、その音楽にトッピングした要素のうち、私が最も好んでいるのはフロ&エディによる、おつむのネジが数本どこかへ飛んでいってしまったかのようなコーラスです。「メタル・グルー」のイントロのコーラスは何度聴いても、なんだこりゃと思い、笑い出したくなり、それ以上に胸がわくわくしてくるのを抑えられません。この感覚が失われない限り、私はこのアルバムをずっと聴き続けているんでしょうね。