ベン&ジェイソン「エモーティコンズ」(ASIN:B000034CJP)

久しぶりに彼等の名前を店頭で見ました。「グッド・バイ」と題された新作アルバムで、彼らは文字通りこの新作限りで解散することになったそうです。2ndがなんとなく肌にあわなく感じて以来彼らの動向に注意することはなかったのですが、なんとなくさびしいものがありますね。
今回取り上げたのは99年に発表された1st。80年代後半以降のブリティッシュ・ロック・シーンが苦手だった私(特にXTCとプリファブ・スプラウトの沈黙期間がツラかった・・・)が、どんなきっかけで本作を知るようになったのか、今はもう忘れてしまいましたが、試聴したとき良質のネオアコが甦った気持ちになりました。ギターとストリングスを中心とした、アコースティックなサウンド・プロダクション。頼りなげなヴォーカル。決定的な1曲こそないけれど、繊細で美しい旋律を持った楽曲。時々ちょっぴり入るノイジーなアプローチが程よいスパイス的な役割を果たすのも心憎い。個人的にはベン・ワットのソロやニック・ドレイクの1stにも通ずるところがあると思います(あそこまで毀れやすさを感じさせるものではないのですが)。小粒だけど、これからもずっと聴き続けられるような作品です。