松浦亜弥「×3」(ASIN:B0000VOREE)

初回盤のパッケージは「キモノ・マイ・ハウス」で「さ・え・ら・ジャポン」な謎のセンスですが、中のジャケットは割合地味です。3rdアルバムはまたしても正月に登場となりました(フラゲしてますが)。あ、ちなみにタイトルは「トリプル」と読むそうですよ。
内容ですが、シングルとして既発表の曲がアルバム全体の足を引っ張っています。レディメイドサウンド全開の「ね〜え」は例外だけど、「GOODBYE夏男」と「THE LAST NIGHT」は改めて聴いても私にはダメでした。「Yeah!めっちゃホリデイ」のリミックスに至っては、こんなの入れるなら発売を3ヶ月遅らせて何か新曲をつくれと言いたくなります。「GET UP!ラッパー」は可もなく不可もなし。これじゃできばえは「T.W.O」以下か・・・ところがこのアルバム、新曲の出来がずいぶんいいんですよ。第一の聴きどころは、ジャズ・ファンクな「恋してごめんね」。全体のアレンジを河野伸、ベース・プログラミングが鈴木Daichi秀行という布陣です。Daichiのつくるベース・ラインが意外とかっこいい。70年代のスティーヴィー・ワンダーを連想・・・というのは流石に誉めすぎですが。そしてそこにかぶさるオルガンがこれまたgood。更にホーンも加わってぐっと盛り上がるのですが、もうちょっとホーンを目立たせて録って欲しかったなあ。せっかくエリック宮城や村田陽一を起用してるんだから。ともあれアルバム前半のハイライト。
その前に置かれた「オリジナル人生」での高速フェイク・ジャズも面白い。「可能性の道」と「私と私と私」はアルバムを引き締めるポップ・チューンでこれも悪くないです。聴きこんでいけばもっと気に入りそう。そして最後に置かれた「LOVETRAIN」は、やや遅めにテンポをとり太いベースで聴かせる力作。アレンジはこれまで私の天敵だったDaichなんですが、この曲の仕事でかなり彼を見直しましたね。上にうすくかぶさるエレピもいい味だしてます。
あややはこれらの曲をどれもソツなく歌いこなしております。願わくは今後歌唱力が更に向上しても変なクセのある歌い方にはならないで欲しいのですが。というわけで、1stまではいかなかったにせよ、色々聴きどころのある楽しいアルバムにはなっています。これでバラードのいい曲があればもっと幅がひろがるんだけどね。2回目からはシングル曲を飛ばして聴きます。

プロデューサーつんく♂コメントはまったく参考になりませんでした(笑)