ボブ・ディラン「ローリング・サンダー・レビュー」(ASIN:B00006YY1J)

伝説の・・・と書いても伝説がたくさんある人なのでわかりづらい。数ある伝説のひとつ、1975年のステージの模様を収録したアルバムです。ミック・ロンソン、ロジャー・マッギン、T・ボーン・バーネットなどからなるバック・バンドの演奏は懐の深い演奏。ディランのヴォーカルもワイルドながらも丁寧な歌いっぷり。まずは冒頭3曲でこのバンドの魅力がたっぷり味わえます。いきなり激しく生まれ変わった「今宵は君と」。軽快なビートが楽しい「悲しきベイブ」。序盤のハイライト「悲しい雨がふる」。中盤の弾き語りも味があり、「ラヴ・マイナス・ゼロ/ノー・リミット」が特にいい感じ。そして後半は「欲望」からのナンバー連発。アルバムでも活躍していたジプシー・ヴァイオリンのスカーレット・リヴェラがここでも好演。「コーヒーもう一杯」や「サラ」は名曲だなあ。ディランの良い聴き手とはとてもいえない私ですが、このころのディランが一番好きなだけに興味深く聴くことができました。なお、おまけのDVDで見ることのできる白塗りディランはコワイです。