ジェスロ・タル「神秘の森〜ヒプロック組曲」(ASIN:B000094DUU)

神秘の森


プログレとして分類されることが多いのに、ヘヴィ・メタル部門でグラミー賞をとったこともある長寿バンド。これまで何枚か聴いてはいましたが、正直夢中になるというところまではいかなったんですね。個性の強さは感じていても、なんだか掴みどころのない印象でした。でもこの作品は聴いたとたんに気に入ってしまいました。大作志向が一段落してアコースティック中心のアンサンブルとなり、ブリティッシュ・トラッド色が濃い中期の傑作として知られるアルバムです。トラッドっぽいメロディはイアン・アンダーソンのちょっとアクがあるヴォーカルとフルートには相性が良く、素朴なようで実は凝った構成・アレンジを支えるバッキングも秀逸。渋くなりすぎず、ロック的な感触が残っているところがミソです。これぞ英国流ルーツ・ロック。次作「逞しい馬」も同路線の好盤ですよ。