エルトン・ジョン「ピアニストを撃つな!」(ASIN:B00005NS1C)

ピアニスト


トリュフォーの名作「ピアニストを撃て」を意識したタイトルと、「マルクス兄弟、西へ」のポスターが目をひくジャケットもお洒落な作品。エルトン・ジョンがスターの座を確立した大ヒットアルバムです。しかし自分でも理由は定かではないのですが、エルトン・ジョンは苦手です。苦手といっても耳にするのもいやだという程ではありません。いくつか好きな曲もあるのですが、多くは特に印象に残らないまま過ぎ去っていくんですね。苦手というよりあまり関心がわかないといった方が正しいかも。意識して聴いたのは「トゥー・ロー・フォー・ゼロ」からなのですが、世評高かったこの作品にピンとこなかったのがケチのつきはじめになっているようです。
そんな私の現在手元にあるエルトンのアルバムはわずか2枚。『ピアニストを撃つな!』と『グッドバイ・イエロー・ブリックロード』のみ。そしてアルバム全体を好きといえるのは圧倒的に前者なのです。『グッドバイ・・・』にはいくつか大好きな曲(タイトル曲やラストの「ハーモニー」など)があるのですが、やはり少々長く感じられることと、どことなくゴージャスな雰囲気をまとっているところに距離感を感じてしまうのです。その点『ピアニストを撃つな!』は適度にキャッチーで味のある曲が過不足ないサウンド・プロダクションで並んでいて、申し分ありません。冒頭の大ヒット曲「ダニエル」はこんな私には珍しく初めて耳にしたときから大好きなナンバーで、今でもお気に入り。「クロコダイル・ロック」のユーモアも捨てがたいけど、やっぱり「ダニエル」のハートウォーミングなメロディに惹かれますね。