山本健吉「定本 現代俳句」(ISBN:4047032921)

秋の気分を楽しんでいたのもつかのま、見事に風邪にやられました。ぼーっとした気分で一日を過ごしていたのですが、早く寝ようと思っても、昼寝のしすぎでどうも寝つけません。とりあえず何か読んで気をまぎらわそうとしても、長い散文は朦朧とした頭にはちょっとツライ。こんなとき重宝しているのがこの本です。もはやこの本に取り上げられた俳人、句自体が古典のような存在となっているので、こちらは当時の風景や、現在にも通じるところなどを勝手に想像して楽しんでいます。俳句を詠もうなんてことはさらさら考えたことない野暮天の私なので好き勝手に頁をめくってはあちこち拾い読みしています。

眼のなかの秋の白雲あふれ去る*1 

なんて句を見つけるといい気分。この本は人物別に構成されていて、季節ごとに分かれてるのではないので季節にぴったりの句を探すのは、ちょっと苦労するんです。山本健吉の評釈は簡にして要を得た見事なもの。これからも折りにふれお世話になる本でしょう。それにしても引用して改めて思ったのですが、俳句に横書きは似合わないねえ。