“まるで「
カエターノ・ヴェローゾ+
クロノス・カルテット」な
サウンドに、少々トン・ゼーで時にホーミーまで”という紹介文に興味を惹かれて購入しました。ブラジル人のシコ・メロとドイツ人の
チェリスト、ニコラス・ブスマンによるユニットで、少ない音数による
室内楽的
サウンドを基調としながらも時折
ミニマル・ミュージック的なアプローチで耳をはっとそばだたせます。ヴォーカルも
カエターノ・ヴェローゾを思わせる甘い声なのですが、こちらもふっとそれだけではない表情をみせる。この変化のつけかたが実にさりげなく知性的なんですね。ヨーロッパ現代音楽の先鋭さをブラジル音楽の優美さによって巧みにコーディングしたユニークな音楽。決して派手ではないのですが、全7曲というボリュームのせいもあって、あれよあれよという間に聴き終えてしまいました。