アディティア・ソフィアン『クワイエット・ダウン』

クワイエット・ダウン

クワイエット・ダウン

先日の青葉市子のUstは盛り上がりましたね。細野晴臣(もちろん素晴らしかった!)目当てのリスナー達のハートをその澄んだ声とギターで鷲づかみ。ツイッターのタイムラインがみるみるうちに彼女への驚きと賞賛に埋め尽くされていきました。
今回取り上げたアディティア・ソフィアンも、その“声とギター”の魅力で多くの音楽好きの心をとらえるに違いない、と思わせるシンガー・ソングライターです。
アディティア・ソフィアンはインドネシアジャカルタ出身。2008年に自宅のベッドルームで録音した「Adelaide Sky」がラジオ曲のインディ・チャートで1位を獲得したことで注目されたそうです。そのヒットを受けて、満を持して発売されたのがこの『クワイエット・ダウン』なのですが、副題に“bedroom recordings vol.1”とあるように、全曲ベッドルームで、ほぼ彼の歌とギターだけで録音されています。それにしても佳曲揃いのアルバム。キャッチ・コピーには「キングス・オブ・コンヴィニエンスへのインドネシアからの静かなる回答」とありますが、私が彼を聴いて連想したのは、ポール・サイモンの『ポール・サイモン・ソングブック』とベン・ワットの『ノースマリン・ドライヴ』でした。特に『ポール・サイモン・ソングブック』と驚くほど肌触りが似ています。どちらも温かみのある歌声と、親しみやすさの中にほのかな哀愁が漂うメロディーが聴く者の心にすっとしみこんでいくのですね。彼の音楽が日本のチャートで1位になることはまず無いと思いますが、きっと静かに長く聴きつがれていくでしょう。名盤です。

Adelaide Sky

代表曲。私もこの曲を試聴して即買いを決めました(^^;)

Memilihmu

アルバムで唯一インドネシア語で歌われる曲ですが、サビに出てくる「チキチキバンバン」のフレーズが印象的です。