アルカント・カルテット『Quatuors a cordes』

ドビュッシー:弦楽四重奏曲ト短調、デュティユー:夜はかくの如し、ラヴェル:弦楽四重奏曲ヘ長調 [輸入盤・日本語解説書付]

ドビュッシー:弦楽四重奏曲ト短調、デュティユー:夜はかくの如し、ラヴェル:弦楽四重奏曲ヘ長調 [輸入盤・日本語解説書付]

ヴァイオリンのアンティエ・ヴァイトハース、ダニエル・ゼベック、ヴィオラのタベア・ツィンマーマン、そしてチェロのジャン=ギアン・ケラスからなるアルカント・カルテットの3rdアルバム。1stがバルトーク、2ndでブラームスときて、今度はフランスもので固めてきました。ドビュッシーラヴェルの組み合わせは王道ですが、そこにデュティューの70年代の作品「夜はかくの如く」を間にもってきたところが優れて現代的な感覚をもつ彼ららしい構成といえるでしょう。もともとソロイストとして活躍していた4人が結集したカルテットなので、実力の高さは折り紙つきなのですが、期待以上の素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれます。フランス・・・と聴いて連想しがちな、優雅さや洗練といった雰囲気はあまり感じられませんが、冬の月の光のごとく冴え冴えとした、シャープで精妙なハーモニーと、ここぞというところでの迫力ある響きが音楽に新鮮な緊張感を与えて、飽きさせる瞬間がありません。次は邦人作曲家の作品を個人的には聴いてみたいものです。