ニール・ヤング『ル・ノイズ』

ル・ノイズ

ル・ノイズ

爆音弾き語りアルバム。最初は映画「デッドマン」のサントラを連想したけれど、やはり彼の歌が入っているか、いないかの違いは大きいものがありますね。トータルにして40分弱と最近のアルバムにしては短いけれでも、その分内容は濃いです。プロデュースを手がけたダニエル・ラノワの空間づくりが見事で、爆音がベタっと拡がっていくのではなく、声とギターをホロフラフィックのように立体的に配置させることで、乱暴なようで実はこの上なく繊細なニールの歌とギターのありようをわかりやすく伝えてくれます。あまりニールの良いリスナーとはいえない私ですが、このアルバムは例外的に繰り返し聴いています。再生する音量によって、全く違った響きに聴こえるのが面白い。国内盤の解説で大鷹俊一氏が述べているように、空気のふるえを感じ取りながら耳を傾けたい音楽。