ナオミ&ゴローや
Moose Hill名義で活動してきたギタリストの、伊藤ゴロー名義では初めてのアルバム。自身のルーツである、
ジョン・レノンや
ビートルズにオマージュを捧げたアルバムと紹介されていますが、聴いた印象はどちらかというと
ポール・マッカートニーの1stソロやエミット・ローズ寄り。いや、無理やり
ビートルズに関連づけるよりも、サム・プレコップや『スノーバグ』の頃の
ハイ・ラマズの方に近い感触がある、といった方が近いでしょう。国内だと新川忠ですね。さりげなく凝ったハーモニーをもつ楽曲が、柔らかなヴォーカルと木綿のシャツのようにすっと耳に馴染んでいく質感を持った
サウンドに丁寧に包まれて、とても心地よい仕上がり。
高橋幸宏やショーン・オヘイガンも参加しているけれど、全体としてはパーソナルな響きになっています。最後にさりげなく置かれたイーノ「By This River」のカヴァーもいい感じですね。