Pescado Rabiosoはアルゼンチンの至宝、SpinettaがAlmendra解散後に結成したグループ。3枚目になるこの73年作は実質ソロ・アルバムと見なしていい一枚。アコギの弾き語りを中心としたコンパクトな
サウンドの楽曲が並ぶが、油断していると突如ミュージック・コンクレートのような展開になったりするので注意が必要。聴き進めるうちにじんわりと滲み出してくるサイケ感覚がたまらない。奇しくも同じ年に発表された
カエターノ・ヴェローゾの『アラサ・アズール』と共通する雰囲気のある作品。ちなみにアルバム・タイトルはアントナン・
アルトーからとったもの。