アンデシュ・ダンマン『オール・ユー・ニード〜クラヴサン組曲』

オール・ユー・ニード - クラヴサン組曲 (ALL YOU NEED - LIVRE DE CLAVECIN)

オール・ユー・ニード - クラヴサン組曲 (ALL YOU NEED - LIVRE DE CLAVECIN)

RYOSEIさんがmixiの日記で取り上げておられて、気になっていたのですがようやく購入できました。チェンバロ独奏によるビートルズのカヴァー集です。曲目をみると曲名の後に【アルマンド】や【クーラント】などと記されているように、18世紀初頭のロココ時代の様式のスタイルでアレンジしているのがポイントで、調律も当時の音律を採用したというこだわりぶりです。その18世紀の様式への移植は実に自然で、原曲のメロディーを大きく変えているわけでもないのに、油断していると本当にクープラン辺りの曲を耳にしているような錯覚に陥ってしまうほど。選曲も独特で、『ホワイト・アルバム』から数多く選曲されているのが特徴。「コンティーニューイング・ストーリー・オブ・バンガロウ・ビル」や「アイム・ソー・タイアード」、「クライ・ベイビー・クライ」など通常のロック・ミュージシャンでもあまりカヴァーしていない曲が取り上げられているのがうれしい。最後はシャコンヌ様式の「ハッピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン」で幕を閉じます。近年の器楽もののビートルズ・カヴァーの中ではスティーブ・ドブロゴスによるピアノ・カヴァーと肩を並べる優れた出来栄えですね。