“新世代の
フランク・シナトラ”とも呼ばれるオランダ生まれのヴォー
カリストの1st。甘いクルーナー・ヴォイスは確かにシナトラを引き合いに出して語られるのも納得ですが、このアルバムは通り一編のジャズ・ヴォーカル・アルバムではありません。ジャズの小粋さにポップ・ミュージックのスピード感が加わった、現在進行形の刺激的なポップスなのです。その大きな要因としてはまずプロデューサーの
ベニー・シングスの手腕があげられるでしょう。彼の存在がこのアルバムに風通しの良いポップ感をもたらしていることは多分間違いないと思います。もちろん、忘れてはならないのは主人公のウーターで、そのヴォーカルの魅力もさることながら、
ポール・マッカートニーやギルバード・オサリバン、
バート・バカラックなどに通じるセンスをもったソングライティングが素晴らしい。個人的にはハリー・ニルソンがこの時代にデビューしてたらこんなアルバムをつくったかもしれない、と思う瞬間がたびたびありました。
Wouter Hamel - Breezy
Wouter Hamel - Cheap chardonnay