カルロス・クライバー指揮 / ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団『ベートーヴェン 交響曲第7番イ長調作品92』

ベートーヴェン:交響曲第5&7番

ベートーヴェン:交響曲第5&7番

昨晩放映されたドラマ「のだめカンタービレ」第4回は面白かったですね。前半のこたつエピソードも笑わせてくれたし、アニメ「プリごろ太」の完成度の高さにも感心しましたが、なんといってもSオケの初ステージのシーンが良かった。オーバーなアクションに笑い転げながらも最後には不思議な感動に包まれました。これってすごいことだと思います。標題がないため一般的な知名度では「英雄」や「運命」に一歩譲っていた感のある第7番ですが、「のだめ」のおかげでこれからかなり人気が出てくるのではないでしょうか。
というわけで、Sオケ初ステージ成功を祝ってこの盤です(「運命」も名演ですが今日は7番の感想で)。既に名盤の誉れ高い演奏ですが、全体的に早めのテンポでぐいぐい進めていくのが快適この上ありません。私がこの演奏で初めて曲を知ったせいもあると思いますが、どうも他の指揮者のを聴くと「もっとスピードを上げて!」とつい思ってしまうんです(笑)。今改めてCDをかけながらこの文章を書いているのですが、ゆるやかな楽章でも“グルーヴ”を感じさせる瞬間がしばしば訪れるのがすごい。ウィーン・フィルの響きの美しさについてはいわずもがな。ワーグナーがこの曲のことを「舞踏の聖化」と呼んだのは有名な話ですが、この演奏を聴く度その意味を深く理解できたような気分にさせられます。疾走するベートーヴェンを堪能させてくれる名盤。