ヒラリー・ハーン/大植英次指揮スウェーデン放送交響楽団『パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番』

パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番

パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番

国内盤が待ちきれなくて輸入盤でゲットしちゃいました。私が今一番好きなヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーン待望の新譜はパガニーニとシュポワのヴァイオリン協奏曲のカップリングです。「人の声」というのをテーマにした選曲だとか。
オーケストラの指揮を大植英次が取っていることも注目すべきところなのですが、やはりハーンを中心に聴いてしまうのはしょうがないでしょう。パガニーニの協奏曲は難曲中の難曲として知られるもの。とはいえ、正直これまで面白い曲と思っていなかったのですが、この演奏を聴いて目から耳から鱗が何枚か落ちちゃいました。オーケストラの部分はなんか無理やり盛り上げようとしているところが感じられて(指揮のせいではないです。曲がそのように出来ているからしょうがない。特に第1楽章。)、私の好みではないのですが、ひとたびハーンのヴァイオリンが加わると様相が一変。シャープで美しい音色と高度なテクニックで難曲をさっぱり難曲と思わせない流麗でのびやかな弾きっぷりに、ただ聴き惚れてしまいます。あまりの軽やかさに「これはモーツァルトの曲だったっけ?」と錯覚しそうな瞬間がしばしば訪れました。この曲をこんなに夢中になって聴いたのは初めてかも(笑)。

カップリングのシュポワ「ヴァイオリン協奏曲第8番<劇唱の形式で>」は初めて聴きました。パガニーニの曲と同じ頃に作曲された作品ということです。3楽章通しても20分弱という規模の曲ですが、個人的にはこっちの方がパガニーニよりずっと好きですねえ。ハーンが掲げた「人の声」というテーマもこの曲の方がふさわしいように思います。

蛇足。この人のジャケットの写真はちょっとコワイ感じのばかり選ばれることが多くてもったいない(笑)。ブックレットにはもっと美しく、魅力的な写真がたくさん掲載されているのに・・・。

関連リンク

<過去の日記から>
これも名演。ヴォーン・ウィリアムス&エルガー
http://d.hatena.ne.jp/huraibou/20040825