プレリュード『ハウ・ロング・イズ・フォーエヴァー』

ハウ・ロング・イズ・フォーエヴァー(紙ジャケット仕様)

ハウ・ロング・イズ・フォーエヴァー(紙ジャケット仕様)

73年作。英国の男女3人組のフォーク・グループのデビュー・アルバムです。ジャケットを見ると古楽、トラッド寄りの音楽性じゃないかと思えるのですが、実際は3人のコーラスをふんだんに聴くことができる、ポップな曲が大半を占めています。“ピーター・ポール&マリーに対する英国からの回答”と宣伝されたのもさもありなん、といった感じですね。
アルバムを代表するのはシングル・カットされミュージック・ウィーク誌のチャートで21位まで上昇した、ニール・ヤングアフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」のカヴァー。彼らはこの曲をアカペラで聴かせてくれるのですが、冒頭の歌いまわしなどにトラッドぽさがあり、アルバム中最もブリティッシュ的な雰囲気があるのが面白い。その他の曲はバンド編成や、ギターのみの伴奏で歌われます。カントリー・ロック調のサウンドを試みた曲やブルースっぽい曲もあって、かなりアメリカ志向のグループだったんですね。けれども中心は3人のコーラスなので、極端に泥臭くなることはなく、聴後感はあくまで爽やか。中には優しいギターの伴奏が印象的な「グラス・エンジェル」のような、幻想的で気品のある曲もいくつか含まれていて、アルバムに奥行きを与えてます。