高橋幸宏『LIVE 1983 BOYS WILL BE BOYS』

高橋幸宏ライブ 1983 ボーイズ ウィル ビー ボーイズ [DVD]

高橋幸宏ライブ 1983 ボーイズ ウィル ビー ボーイズ [DVD]

名作『薔薇色の明日』をひっさげた1983年のツアーの様子を収録した作品。鈴木慶一立花ハジメ、ビル・ネルソン、デヴィッド・パーマーといったベースレスの編成がユニークです。渋谷公会堂と箱根森林公園の2箇所の映像が使われています。ゲストは「フラッシュバック」の細野晴臣を始め、大村憲司白井良明(入場時でんぐり返しを試み失敗するところが映っています。大丈夫だったのか?)
アレンジはアルバムと大きな違いはないのですが、なんといっても幸宏が最も勢いがあった時期なので、熱気が伝わってくるし、元気です。手をあげたりジャンプしたりする姿なんて今では考えられません。若い!2月に出たHUMAN AUDIO SPONGE(細野・坂本とのユニット)のライヴDVDでのひたすら黙々と演奏している姿と比べてみると時の流れを痛感させられます。いや、20年以上の年月が経っているわけですから当然なんですけどね。共通しているのはドラムを叩いてないことぐらいです(笑)。
それにしてもデヴィッド・パーマーの幸宏スタイルの完コピに徹する職人魂はあっぱれ。ビル・ネルソンも地味にサポートしています。慶一のマッシュルーム・カットに半ズボンといういでたちは正直、当時も今もビミョーだと思いました(笑)。本人も言っていますが一時期のブライアン・ウィルソンみたいなんですよねー。そんな中コスチュームから異彩を放っていて、ステージにダイナミズムをもたらしているのは立花ハジメ。爬虫類的なヌメリのある存在感とロボット的な動きに目を引かれます。彼がいなかったら優等生すぎるステージになっていたでしょうね。
副音声では幸宏・慶一・立花による鼎談が楽しめます。気のおけない間柄なのでよくいえばリラックス、悪くいえばグダグダ感のあるトークなのですが、ライヴの裏話などがたっぷり聴けて面白い。立花ハジメなんて途中で歌いだしちゃったりしてノリノリですよ。