ブライアン・オーガー・アンド・ザ・トリニティ『オープン』
- アーティスト: Brian Auger
- 出版社/メーカー: Castle Music UK
- 発売日: 2004/08/31
- メディア: CD
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『オープン』は彼らの記念すべきデビュー・アルバムで67年発表。ほとんどスタジオ・ライヴに近い形で録音された作品で、演奏にも熱気を感じます。マネージャーのジョルジョ・ゴメルスキーが、ヴォーカルのジュリー・ドリスコールにスポットを当てて売り出そうとしたため、前半はオーガーのオルガンが活躍するインスト・ナンバー中心、後半はジュリー・ドリスコールのヴォーカル・ナンバー中心となっています。ドノヴァン「魔女の季節」をカヴァーしているのも個人的にはうれしいところ。当時の彼らは同時代の有名曲・話題曲をてらいもなくカヴァーしていますが(ビートルズ「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」やドアーズ「ライト・マイ・ファイア」など)、それが“時代の空気”を音盤の中に閉じ込めているようで、聴いていると自分が当時のロンドンのストリートを闊歩しているような気分になれます。
この後彼らは、オーガーのソロ・アルバム的な2nd『ディフィニットリー・ホワット』を挟み、LP2枚組の大作3rdアルバム『ストリート・ノイズ』を発表。代表作はなんといってもその『ストリート・ノイズ』ですが、ジャズ・ロックなビートを背にひきまくるオーガーのオルガン、ハスキーで力強いドリスコールのヴォーカルの魅力は既に今回取り上げた1stで存分に発揮されています。初めて彼らの音楽に接する人はこのアルバムから聴き始めた方が2人の個性がつかみやすくていいかもしれませんね。