ブラッフォード「ワン・オブ・ア・カインド」

ワン・オブ・ア・カインド(紙ジャケット仕様)

ワン・オブ・ア・カインド(紙ジャケット仕様)

いまやすっかりジャズの人となった感のあるビル・ブラッフォード(本当は“ブルフォード”が正しいのだけど、どうも馴染めない)の、ソロ第1作目「フィールズ・グッド・トゥ・ミー」に続いて79年に発表されたアルバムで、本作から『ブラッフォード』というグループ名義になっております。
メンバーはビル・ブラッフォードデイヴ・スチュワートアラン・ホールズワース、ジェフ・バーリン。前作ではアネット・ピーコックがヴォーカルを取る曲も収録されていたのですが、今回はあくまで4人のインタープレイが中心。各人の高度な演奏とグループとしてのまとまりが上手く両立していて、ウェザー・リポートに対するイギリスからの解答ともいえる内容になっています。かなりフュージョン寄りではあるのですが、デイヴ・スチュワートから曲づくりにおいて多くを学んだというブラッフォードの作る曲には、どことなくハットフィールド&ザ・ノースやナショナル・ヘルスなどに通じるにおいがあって、アルバムに適度な翳りを与えており、何度も聴き返せるものにしています。ジャズ・ロックへの入門としても最適な1枚ではないでしょうか。