Joel Harrison 「Harrison on Harrison」

HARRISON ON HARRISON

HARRISON ON HARRISON

ジャズ・ミュージシャンによるビートルズのカヴァー・アルバムというのも数え切れない程ありますが、このアルバムは全曲ジョージ・ハリスン・ナンバーであるということが特色です。それも「Here Comes the Sun」や「While My Guitar Gently Weeps」といった代表曲だけではなく(「Something」はとりあげられてません!)、「Love You To」といったインドもの、「Isn't It a Pity」「All Things Must Pass」といった、ソロになってからの作品も取り上げているのがうれしいところです。渋いと思ったのは「The Art of Dying」。
Joel Harrison のギターを中心に、ベース、ドラムス、サックス、フェンダー・ローズがアンサンブルの基本。曲によりピアノやB3 オルガンが加わります。あまり奇をてらったアレンジにはしていないのですが、それがかえってジョージ独特のコード・プログレッションを際立たせています。いくつかの曲ではJoelによるヴォーカルも入りますが(1曲ゲスト・ヴォーカルを起用していますが、Joel自身のヴォーカルの方がいい)、意外と男臭い感じで結構気に入りました。特に「Isn't It a Pity」ではソウルフルな熱唱を聴かせてくれて、アルバムの最後をしっかり締めくくってくれます。