ムーンライダーズ:After The P.W Babies Show @恵比寿ガーデン・ホール

最初のアンコールで英語ヴァージョンの「Who's gonna die first?」「Beatitude」を演奏し、一度ステージ上から去るメンバー達。しばらくして再び登場し、何の曲をやるのか期待が高まる聴衆に向かって鈴木慶一が発した言葉は「かしぶち哲郎!」。観客席に驚きと喜びの波がたちまち広がっていきました。
体調不良のため、今回のツアーやプロモーション活動を全て欠席していたかしぶち。今日の代役は坂田学が務め(重量感のあるいいドラミングでした)、途中、客席全員を立たせ「かしぶち全快祈願」を行ったりもしたので、一層最後の最後になっての登場はサプライズでした。大きな拍手に包まれステージに表れたかしぶちは面やつれしていて、本調子にはまだ見えなかったものの、ギターを手にして「Frou Frou」の演奏に参加したのです。リード・ヴォーカルではなく、コーラスに少し参加するだけでしたが、とにもかくにも動く姿を目にできたことがうれしかったです。
本編はやや遅れてスタート。ハード・タッチなカントリー?的アレンジの「スカーレットの誓い」から始まり、基本的に押せ押せのテンションが高い曲が続きました。ベースがかなり大きく響いていたと思います。そのためかこれまで以上にパワフルな印象を受けました。鈴木博文が新作からの2曲と「ボクハナク」でリード・ヴォーカル、「30」では慶一とヴォーカルを分けあったりとかなり歌っていましたね。岡田徹のキーボードもかなり活躍していました。
途中でゲストとして、新作にも参加していたフルートが加わったのですが、前述のようなハードなアレンジが多かったので、音に埋もれていた場面が多かったのは残念。これは武川雅寛が多用したフラット・マンドリンも同様で、そんな中で両者とも繊細で聴き応えある演奏を随所で聴かせてくれただけに、もっとじっくりと2人の音色を聴きたかったですね。まあ、これはささいな不満なので、全体的には武川と慶一の2人羽織ヴァイオリン演奏や、慶一vs良明のギター合戦などのファンサービスも含めて、久々のライダーズのライヴを楽しんできました。来年迎える30周年には6人全員の元気な姿が見たいものです。

終演後は、眼福さん(id:momongah)達と乾杯。旨いビールを堪能しました。皆さん、お疲れさまでした!