ザ・グッバイ「#6 DREAM」

#6 Dream +2

#6 Dream +2

去年出たベスト盤「READY!STEADY!!THE GOOD-BYE!!!」で、ようやくきちんと彼らの音楽に耳を傾けたのですが、「なんでちゃんと聴いておかなかったんだろう?」という後悔したものでした。もっとも当時耳にしていたとしても、ジャニーズだとかもろもろの固定観念が邪魔をして素直に評価することは出来なかっただろうし、出会うべきときに出会ったのだと思うようにしています。
ずっとベスト盤を聴いていたのですが、さて何かオリジナル・アルバムをと思ったとき最初に何を選ぶか。素直にベスト盤で一番気に入った曲を収録しているアルバムにしました。その曲「浪漫幻夢」を冒頭に配したアルバムがこの「#6DREAM」です。
ELO風あり、ギターがうなるハード・ポップあり、スティーヴィー・ワンダー「マスター・ブラスター」を暢気にしたようなポップ・レゲエあり、もちろん得意のビートルズありと粒揃いの楽曲がならび、サイケに挑んだ前作「FIFTH DIMENSION」と対をなす、突き抜けた明るいアルバムになっています。 ライナーノーツのメンバーそれぞれのインタビューを読むと、じっくり時間をかけた前作に対し、短期間でポップなものを一気につくろうというコンセプトだったことがわかり、なるほどこれは「マニア・マニエラ」に対する「青空百景」のようなアルバムなのだと、ムーンライダーズ・ファンとしては納得と共に好感度がいっそう増したのでありました。
メンバーそれぞれが個性的な曲を書き、ビートルズ風のコーラスをびしばし決め、楽曲はポップで遊び心に富んでいる・・・本当にいいバンドだったんだなあ。「出会うべきときに出会った」なんて気取って書いたけど、やっぱりリアルタイムでファンになっていたかった!