シャーリー・コリンズ&アルビオン・カントリー・バンド「ノー・ローゼズ」

ノー・ローゼズ

ノー・ローゼズ

「ディスカヴァー・イングランド」男・アシュリー・ハッチングスがフェアポート・コンヴェンション〜スティーライ・スパンと渡り歩いた後に結成したのがアルビオン・バンド。当時の妻だったシャーリー・コリンズを中心に、総勢26名のミュージシャンと共につくられたエレクトリック・トラッドの金字塔がついに紙ジャケで登場です。
シャーリー・コリンズは英国フォーク界を代表する歌姫。フェアポート・コンヴェンションのサンディ・デニーやスティーライ・スパンのマディ・プライア程の華があるわけではないのですが、落ち着いた気品のある歌声を聴かせてくれます。リチャード・トンプソンやデイヴ・マタックスなど、フェアポート勢を中心としたロック・サウンドフィドルメロディオンコンサーティナ、ハンマー・ダルシマーユダヤ・ハープといった伝統楽器が渾然一体となったアンサンブルは派手ではないものの、味わい深いものがあります。最初は地味に聴こえても、じわじわと良さが染み込んでくるスルメ名盤ですね。フェアポート好きには4曲目「マーダー・オブ・マリア・マーティン」でのリチャード・トンプソンのギター・プレイと、ニック・ジョーンズのフィドルはたまらないはず。この勢いでアルビオン・バンドの他の作品やエッチンガム・スティーム・バンド、「モリス・オン」シリーズも紙ジャケリマスターで復刻されるのを希望します。