LOCOMOTIONアーティスト: さかな出版社/メーカー: インディーズ・メーカー発売日: 2004/09/12メディア: CD クリック: 1回この商品を含むブログ (24件) を見る

別ユニット名義で出た作品を挟んで、4年ぶりの新作。派手なところは全くない彼等の音楽ですが、フォーク、音響、ブルース、ブラジル、ファンクなど、多彩な要素が隙間の多い音作りの中に溶かし込まれたワン&オンリーな世界を確立しています。ふわふわしているようで芯が強く、エモーショナルなPOCOPENのヴォーカルと、それを的確にサポートする西脇のギター、今作を最後に脱退するPOP鈴木の控えめだけど存在感のあるドラム、どれも最小限の音数で聴く人に多くを暗示させます。
数少ない装飾の中、今作を特徴づけているのはコーラス・ワーク。ディレイを生かした「もうすぐ」や、ドゥ・ワップっぽいフレーズが聴ける「パナマニアン・ハット」が印象に残ります。コーラス以外では、トーキン・ブルース調の3曲目「ロッキーマウンテン」に参加したエマーソン北村のキーボード。これが地味にいい感じですね。


そして、この作品はこれまでにもまして言葉が立ってきます。もともと独特の言語感覚を持っていたPOCOPENですが、難解な言葉を用いず、しかし求心力のある歌詞が今回は特に耳をひきつけます。白眉はやはりタイトル・チューン「ロコモーション」でしょうか。彼等の音楽の底流にあるエモーションがわかりやすく現れていると思います。

永遠が私たちの庭に入る夢を見た
よみがえる少しずつ聞こえてはこないだろうか
足を失ったダンサーのステップ
指の無いピアニストのメロディが
言葉を 失った 詩人達の数々のうたが
そして人々は鳴り響く鐘の音と共に知る始まり
長い ロコモーション


(中略)


平和が私たちの庭に入る夢を見た 大きな声で平和について
語る言葉のどれにも似ていなかった 心の中で
心の中で祈る君たちの言葉だけに似ていた
長いロコモーション 長い どんな 感じ だろう
長い 道のりは、、、