ポポル・ヴー「ホシアンナ・マントラ」(ASIN:B00005F7GS)

本日のレコの収穫のひとつ。以前手放したのを買い戻しました。フローリアン・フルッケ率いるポポル・ヴーの代表作で、一応ジャーマン・プログレッシヴ・ロックの傑作のひとつ、ということになっているのですが、ドラム、ベースはなく、ピアノ、チェンバロ、ギター、オーボエ、タンブーラ、ソプラノのヴォーカル、ゲストにヴァイオリンという編成はロックの枠からは大きく逸脱しておりまして、新種のミサ曲と考えたほうが分かりやすいものになっております。


グループ名の由来はインカの神話の書物から。アルバムタイトルの「ホシアンナ」とは神を賛美する声、「マントラ」はヒンドゥー教で呪文のこと。大昔に聴いたときは、このタイトルやジャケットから受ける印象に邪魔をされて、たいへんうさんくさいものとして、観念的に捉えてしまっていたのですが、改めて聴いてみると、いわゆるニュー・エイジ的なものからはぎりぎりで一線を劃している感じがします。ボトムを支える楽器が不在のアンサンブルなので全ての音が宙に漂い溶け合っていくような感覚が独特。タイトル曲でギターとオーボエ、ソプラノが絡み合って織り成す響きは特に新鮮で美しいものとなっています。純アコースティックな一枚ですが、牧歌的なエレクトロニカを好む人にも存外受けいれられるかもしれませんね。買いなおして良かった。もう一枚調子にのって同じグループの「雅歌」というアルバムも買っちゃったけど、それはまだ未聴の一枚。さて、そちらはどうなのかな・・・。