戸田誠司「There She Goes」(ASIN:B000228UA8)

世がなべてローファイ、７０年代的サウンドを礼賛していた９４年に、敢然とフル・デジタル・レコーディングでテクノ魂を見せつけた「ハロー・ワールド」から１０年。戸田誠司が帰ってきました。この新作にもテクノ・ポップの刻印はしっかりと記されています。しかし、ここで聴けるのはエレクトロニカ、グリッチ・ノイズなどもすずしげに飲み込んだ、２１世紀仕様のテクノ・ポップなのです。ムーンライダーズのファンとしては、鈴木慶一と鈴木さえ子が参加しているだけで感涙ものですが、それを抜かしても素晴らしい作品。どの曲もポップかつリリカル。ＲＣ「スローバラード」のカヴァーまで飛び出して、カラフルで軽やかな作品となりました。さらに特筆すべきは、ＣＤ−ＥＸＴＲＡ仕様のこの作品、アルバム全曲のｍｐ３データが収録されているのですが、同じフォルダにあるReadme.txtを開くと、そこには

Copy control of this CD would be up to you. このCDのコピーコントロールはあなたのハートにある。

という文章が書かれているのです。戸田誠司最高！