アキツユコ「音楽室」(ASIN:B00005JZYS)

竹村延和率いるチャイルディスクのなかでも個人的に一、二を争う名盤です。「音楽室」とはよく名づけたもので、普段は地味でおとなしい女の子が、放課後誰もいない音楽室できままにこっそり演奏している様子がうかんでくるような気がします。ほとんどエレクトーンでつくられているというのが驚き。抽象的なようでいてどこか人なつこい響きがあって、その繊細な音の戯れが耳を捉えます。夜中にひっそりと聴きたい。非常にパーソナルな音楽であるように思えますが、ジム・オルークが主宰するレーベル、モイカイからもリリースされたという事実は決して閉じた音楽ではなく、開かれた魅力があることを物語っているのではないでしょうか。