テンプル・シティ・カズー・オーケストラ「2001年カズーの旅」

愛すべきバカ音盤。メンバー全員がカズー担当というとんでもない編成のオーケストラです。内ジャケットのメンバーの写真を見ると全員タキシードを着用してカズーをくわえていて笑わせてくれます。演奏する曲はタイトル・ナンバーの「2001年宇宙の旅」(「ツァラトゥストラはかく語りき」)や「ステイン・アライヴ」「ミス・ユー」「胸いっぱいの愛を」などの有名曲ばかり。どうやってもマヌケなサウンドにしかなりようにないのですが、できるだけ原曲に忠実にやろうとしているのが伝わってきて(特に「ミス・ユー」や「胸いっぱいの愛を」)、なんだか涙ぐましくなるときも。人力ノイズの中に感じられる歌心がいとおしくて、笑いながらも愛せずにはいられなくなる一枚です。