殿山泰司「三文役者あなあきい伝」

Part1,Part2の2冊に分かれていて、Part1を読み終わったところ。一度でも彼の本を読んだ方ならば説明不用の、あの饒舌体が堪能できます。回想中に突然現在の描写をはさみこんだり、「バアさん」や自分自身にツッコミをいれたりしながらもテンポがよくて読みやすい文章。これは名文ですよ。ふざけた調子で書いていても、弟について触れたところなどは胸をうちます。