V.A「メリー・メリー・クリスマス」

メリーメリークリスマス

フィル・スペクターのクリスマス・アルバムが発表された1963年、日本からは当時の芸能界を席巻していた渡辺プロダクションのスター達によって、このアルバムがつくられました。スマイリー小原とスカイライナーズによるビッグ・バンド・サウンドのクリスマス・ファンファーレで幕を開けるこのアルバム、ザ・ピーナッツが「ホワイト・クリスマス」でしっとりとしたハーモニーを聴かせたり、伊藤ゆかりや鹿内タケシが落ち着いた歌声でクリスマス・スタンダードを披露するなど、全体的には案外おとなしめ。しかし、最後の最後になって満を持して登場するクレイジー・キャッツ「クレイジーのクリスマス」が一気に聖なる夜を日本的お祭り騒ぎの世界へ引きずり込む!前半はコントをからめたクリスマス・ソングのメドレー。「きよしこの夜」に「ホンダラ行進曲」のフレーズをかぶせるというシュールなアイデアに絶句。そして本編「クレイジーのクリスマス」は王道のクレイジーサウンドによる彼等ならではの世界。この後の「♪ジングールベール、ジングルベール、ジングルベールーよー」の繰り返しも含めて大滝詠一「クリスマス音頭」に多大な影響を与えていることはいうまでもありません。